App A:BeOSのコマンドラインシェルを使うグラフィカルユーザーインタフェースに対するもっとも一般的な不満は、それがテキストベースのコマンドラインによる制御をまったく、あるいはほとんど不能にしていることにあります。これは、コマンドラインに慣れているユーザー、特にUnixベースのシステムに馴染んでいる人にとっては大きなフラストレーションの原因になります。BeOSはグラフィカルユーザーインターフェースを基本にしながら、ほとんどのUnixシステムが備えるコマンドラインを利用することも可能です。これには、以下のような3つ大きな利点があります。
グラフィカルユーザーインターフェースによるBeOSに対する操作のほとんどは、BeOSコマンドラインを使って実行することもできます。BeOSのUnix Posixコンパチブル機能を利用することによって、多くのUNIXのツールが変更なくそのまま利用できます。これらの多くはすでに「file:///boot/beos/bin/」ディレクトリーに組み込まれています。
BeOSの中身をのぞくことができるような、テキストベースの強力なツールがいくつかあります。これらは複雑なシステムの調整や、特定のアプリケーションやシステム全体の性能をチューンアップするのに役立ちます。例えば、BeOS上で動作しているすべてプロセスのリストを作成したり、コマンドラインからプロセスを起動したり停止したりできます。
テキストベースのコマンドを使うことによって、事実上BeOSのあらゆる面を操作することのできる強力なスクリプトを作成することができます。このようなスクリプトは、システムの各種設定を補助したり、ときにはダブルクリック可能なアプリケーションと同等に機能することもできます。
BeOSのコマンドラインシェルはbashシェルに基づいています。このインターフェースはUnixの世界で広く使われているものです。BeOSが使用しているコマンドは、bashで使われているものと同一です。
Note: コマンドラインやスクリプティングの学習用に、優れた書籍が多くあります。「Learning the bash Shell」(Cameron Newham 、Bill Rosenblatt共著 加O'Reilly&Associates社刊)は、包括的な視点から書かれた良書です。加O'Reilly&Associates社は、BeOSの技術書やBeOSのプログラミングの解説書である「the Be Book」の出版元です。同社のWebページは http://www.ora.com/です。BeOSのコマンドラインの環境は、「Terminal」アプリケーション(file:///boot/apps/Terminal)によって利用できます。Terminalはテキストベースのインターフェースであり、BeOSに統合されたbashシェルツールへのアクセスができます。Terminalアプリケーションを起動すると以下のようなウィンドウが開きます。
「$」プロンプトはコマンドラインが使用可能な状態であることを示します。同時に複数のTerminalウィンドウを開き、それぞれに異なったコマンドを実行させておくこともできます。コマンドラインシェルを終了するには「exit」コマンドを入力します。するとTerminalウィンドウが閉じて、アプリケーションが終了します。
BeOSのCD-ROMの中に、サポートしているコマンドのリストがオンラインマニュアルとして入っています(file:///boot/beos/documentation/)。いくつかの例をここに挙げてみましょう。